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「建築家の清廉 - 上遠野徹と北のモダニズム」(建築ジャーナル)

 

建築家の清廉―上遠野徹と北のモダニズム (建築家会館の本)

建築家の清廉―上遠野徹と北のモダニズム (建築家会館の本)

 

2016年23冊目 

目利きで関心の幅が広い広島の専門店のオーナーが、理想の家、大好きな建築家として挙げていた。

自然の力に敬意を払い、出来るだけその土地の素材を使用し造られた住居は知性あふれる佇まい。

 緑がすぐそばに感じられる平屋造り、視線が低い日本的空間に配置される北欧家具、大きな窓から入ってくる暖かな日差し。

日本家屋に憧れる私にとって、たまらなく魅力的な作品の数々。

ここまで広い家は求めずとも、いつかこんな佇まいの家に住むことが出来るだろうか。

美を追い求める人が最終的に行き着く先は家作りという。

もしそんな機会が訪れた時にうろたえないよう、美に対する考えを磨いていきたい。

厳しい自然の環境の中で人は自然の凄さに憧憬の目を向け謙虚になり、自然を受け入れ共に歩む。 (p.15  兼松紘一郎)

この記述はアイスランドの人々とも重なる。

寒空の中、小窓から見えるのは間接照明の暖かな光とキャンドルの仄かな灯。

家族で幸せに暮らしていることが伝わって来る、オレンジ色に染まったダイニング、本棚。

レイキャビクの夜の住宅街を歩いた時の、心の中に火が灯るような感覚が忘れられない。

レーモンド夫妻の初めての来道と残された聖ミカエル教会の遺産は、北海道建築史上に残されるべき価値ある事項だと思います。私は、1992年にキリスト教に入信し、日本聖公会聖ミカエル教会に所属し、この教会を今でもお守りし続けることができ、また日曜日ごとに良質なレーモンドの建築の中で、お祈りできる喜びと感謝でいっぱいです。さらに、行き届いた手入れを加え、長持ちさせ、人々に感動を与える建築でありたいと考えています。(p.26)

 

家族はコタツに温まりに来るので、食事の時は必ず会話が始まる。子供達はケンカが始まる。よく言われることだが、寒い住宅では家族の距離は近くなる。(p.68  瀬戸口剛)

 

今の北海道の住宅は冬の快適さばかりを追い求めて、夏の豊かな暮らしを見失っている。快適さと豊かさは全く違うものだ。(p.69  瀬戸口剛)